2対8の法則とはなにか?
2対8の法則というのは、2割のものが全体の8割の結果を占めているという意味で使われます。80対20という言い方もします。こちらのほうがよく耳にするのではないでしょうか。この考えかたはイタリアの経済学者のパレートが財政政策を調べているときに発見したので「パレートの法則」とも言われます。ビジネスの場や身の回りでもこの法則はよく見ることができます。ただ実際には2対8に限らず、2対7、3対8、2対9、3対7などのパターンが現れています。割合は大体でかまわないので、ああこういう割合になるのだということを覚えておいてください。
2対8の法則はどんなところで見られるのか?
- 具体的にどこで見られるか
実際に身の回りで2対8の法則はよく見られます。ビジネスでの例をあげれば、売上のデータを集計した結果、上位2割の得意先や商品が総売上の8割を占めているということです。具体的に、商品が100品目あって、売上の合計額が1,000万円だとすると、売上金額の多い順位に並べていくと、上位の1位から20位までの商品の売上金額の合計が800万円になります。これは商品でなくても、販売先でも同じような割合になります。
また、在庫金額でも同じような割合になります。在庫金額が多い順に商品アイテム並べていくと、上位2割の在庫金額の合計額が、全体の在庫金額の8割になります。
- どんな場合でも使えるか
2対8が使えるためには、アイテム数がある程度ある必要があります。私の感覚では20種類以上になってくると2対8に近い数字になってきます。アイテム10種類しかない場合は1対9のような極端な割合になってしまいます。また、アイテムの中で、一番の順位のものが極端に大きい場合でも1対9のような割合になってしまいます。例えば、取扱い商品20品のなかで、特定の1種類の商品が看板商品であって、ほぼ売上はその商品という場合です。その時には、うまく2対8にはなってきません。
2対8の法則をどう使うのか
2対8(またはそれに近い割合でも良いのですが・・・)ができている場合には、それをうまく利用することができます。例えば在庫が増えてきて、在庫削減をする時にどこから手をつけたらよいか?在庫数が100種類や1,000種類となった時に、いきなり全部をチェックするのは大変でです。その場合は在庫金額の多い順の上位2割の商品に対して集中的に改善をしていくと、そのことで8割にあたる在庫金額について精査できることになります。100種類全部の商品在庫を確認しなくても、20種類だけでほぼ内容が把握できます。これが2対8を利用するメリットになります。
また、営業担当の売上と訪問回数を2対8で分析すると、まず、売上高が高い順に販売先を並べます。すると上位2割の販売先が総売り上げの8割を占めていることになります。一方、販売先の訪問回数を多い順にならび変えます。販売先を売上の高い順に並べた表と、訪問回数を多い順に並べた表を比べると、普通は一致しません。一致すると理想なのですが、そういかないのがほとんどです。よくABC分析をしなさいという話がありますが、2対8も同じ考え方です。上位2割の優良販売先をA客にするということです。そこでABC分析では、売上の8割を占めている2割のA客に集中して訪問しなさいという考え方になります。
まとめ
2対8の法則は、ビジネス以外にもどこでも見ることができます。もととなるのが「バラつき」です。たくさん買ってくれる販売先があって、あまり買ってくれない販売先がある。自然現象にもバラつきがあります。だから2対8ができてくるのですが、そこにひとの感情が入ってくると2対8の割合や順序が「ずれ」てきます。ビジネスでの活用はその感情の「ずれ」を調整することが利益につながってきます。
後半ではそのずれの解消方法を説明します。